山川草木・動物 歳時記 Ⅱ 

身の回りの自然を歳時記風に綴った記録。

2019年11月

                                  * 2019.11.25


5110) ツワブキ  Ⅴ


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5110) ツワブキ


 ツワブキ(*A*)の花が今が盛りとばかりに咲いている。
 
 この長崎県北部一帯はこの時期、どこにも自然の中で見られるもので決して珍しいものでもなく、誰にも見飽きた花であろう。

 もし、立ち並んだ膨大なツワブキの花を見たいなら、松浦鉄道「MR]の電車に乗って窓から眺めれば最高である。その沿線にはツワブキの花だらけで、特に田平町から松浦市に入るものなら、停車駅の間には永遠に続いているかのようなツワブキのラインが続く。

 先日、自宅の庭に生えていたツワブキの花を嫁さんが玄関先に飾ってくれていた。

 嫁さんの好きな花の一つだという。その大胆な構図の花や葉が単純で好きだというのだ。

 茶色の背景の板壁、それに、純白な背高の花瓶に配された大胆な黄色い花と丸い葉・・・・本当に美しいと思った。

 同じ大きさくらいの生け花なら、僕はもっと派手な感じで かつ 繊細な構造の花であるマンジュシャゲ(ヒガンバナ)が好きだ。

 その背景の茶色と白く長い器の色、直感的にツワブキの大胆な黄色と丸い緑葉と組み合わせた色のコンポジションは実に素晴らしいものだった。

 なぜか、その横に置いてあった空の大きな外国製のガラス花瓶・・・・これは、あえて置いたものだろうか、たまたまそこにいつものように置いてあったものなのか?

 まあ、それも、このツワブキと一緒にあっても面白い感じがしないでもないのだが・・・・


 もう、それを飾って一か月になろうかというのに、なぜか 花は散る様子もなく元気で僕を楽しませてくれている。





②マンジュシャゲ「別名:ヒガンバナ)」:a. ヒガンバナ (別名: マンジュシャゲ)[Ⅰ](*2265):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/59438554.html ]、b. ヒガンバナ (別名:マンジュシャゲ)[Ⅱ](*2266):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/59441717.html ]、c. ヒガンバナ (別名: マンジュシャゲ[Ⅲ](*2266) :[ https://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/59441717.html ]、d. ヒガンバナ[Ⅴ](*4688):[ http://rsytw766.livedoor.blog/archives/3987518.html ]、e. ≪ヒガンバナロード≫(*A*):≪旬の風 698≫ ヒガンバナロード :[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/15883347.html ]、f. ≪旬の風 315≫ ヒガンバナの花の上で・・★:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/12435249.html ] 















                              * 2019.11.26


≪瞬の風 957≫ 


                                                  ベニシジミ (夏型)


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 11月の初めころに黒地に鮮やかな朱色の文様を持った「ベニシジミ」(*A*)を見かけた。

 それは福岡・糸島の団地内にある小さな公園の植え込みの中だった。

 明らかに夏型のベニシジミで、この寒い季節にもまだ元気に飛んでいた。

 日が差してくると低い樹木の葉のうえで少しずつ翅を開き始めた。

 花の蜜を吸うでもなく、じっと羽を広げて動かない。日向ぼっこをしているのだろう。


 春先から出現してくる「ベニシジミ」だが、春から夏の成虫(春型)の翅の文様は朱色の部分がもっと鮮やかである。夏以降に発生する成虫(夏型)は辺縁の黒褐色の部分が春型よりも太くて黒点も大きくなる。成虫は年に3~5回ほど発生するというが、越冬は幼虫の状態で行われる。

 卵は食草のタデ科植物(スイバ、ギシギシなど)に産みつけられる。幼虫は脚の無いワラジムシのような形をしているといわれるが、僕は見たことがない。ふつうは緑色だが紫の縦じまがある場合もあるようであり、これはタデ科植物の葉と葉脈に似せた保護色になっているという。

 この公園で見た「ベニシジミ」がオスかメスかは判らなかったのだが、やがて彼(彼女)はその冷たい北風の中でいなくなってしまうのだろう。それは最後の温かい日向ぼっこを楽しんでいたのだろうか?

 彼らの残した次の世代の幼虫を見つけてみたい。






*【参照HP】 ①「ベニシジミ」(*A*):a. 昆虫撮集 ①チョウ類 D. シジミチョウの仲間:[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/12116287.html]、b. ≪旬の風 557≫≪30000回アクセス記念 蝶 20 :百蝶の図 ≫★:[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/54774857.html ]、スイバ、ギシギシなど:⇒ a. スイバ(*440):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/22817114.html ]、b. スイバ[Ⅱ](*544)http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/26137980.html ]、b. スイバの雄花と雌花:[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/22821126.html ]、d. スイバ[Ⅲ](*3284):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/11176952.html ]、c. スイバ[Ⅳ](*3954):[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/14312689.html?__ysp=5bGx6YeO6I2J5Zuz6ZGR5q2z5pmC6KiYICDjgrnjgqTjg5A%3D ]、d. ヒメスイバ[Ⅲ](*3150):[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/10204030.html?__ysp=5bGx6YeO6I2J5Zuz6ZGR5q2z5pmC6KiY44OZ44OL44K344K444Of ]、
 e. ギシギシ(*332):[ http://geocities.yahoo.co.jp/gl/ryujumihouchida/view/20051124 ]、f. ギシギシ[Ⅱ](*3282):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/11166550.html ]、c. ギシギシ[Ⅲ](*3283):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/11171633.html ]、g. コギシギシ(*587):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/29288160.html ]

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≪旬の風 952≫

                                       ジョウカイボン


 もう、それは今年の5月のころだったらしい。

 自宅の庭の壁を伝って上に歩いている茶色い細長い昆虫(甲虫)を見つけた。すぐに「ジョウカイボン」だと思った。

 上にあがっていく虫をデジカメ撮影しながらで追いかけていたのだが、ぽとっと下の水桶に落ちてしまった。
 彼は横になったまま水をけってあえぐように浮いていたので、写真撮影後にすぐに水からあげて、またもとの壁に置いてやった。彼は壁の頂上まで上り詰めると一気に5月の青空に飛び立ってしまった。調べてみると、「ジョウカイボン」といっても、その種類は国内では12種類もあるようだ。

 体色や足の特徴などから、やはり、狭義名の「ジョウカイボン」だと思われる。よく似たものに「キイロジョウカイボン」もしくは「キンイロジョウカイボン」と呼ばれるものがいるようだが、これらは足が黄色く、このジョウカイボン」は黒いので、狭義名の「ジョウカイボン」とした。

それにしても、ジョウカイボン」とは変わった感じの名前である。夏の行事の『お盆』、お茶や食事を運ぶ『お盆』がどうしてもイメージされる。ま、そのような変な名前だからこれまで覚えてきたのだが・・・・

 名前の由来を見てみたら、一説としては、肉食性で強そうなところが あの歴史上の人物である[平 清盛]の印象であるとされ、その法名である「淨海坊(じょうかいぼう)」から付けられたと言われたり、「清盛」が高熱の病気で亡くなったことと、昔の呼び名の”火虫”と関連づけた説があるという。一方、「西遊記」に出てくるサゴジョウも法名を「淨海坊」といい、「淨海坊」と言う法名は「清盛」1人についている名ではないらしい。

 狭義名のこの「ジョウカイボン」は、大きさが14~18mmの細長い茶色っぽい甲虫で、やや触角が長い。自然の中などあらゆる場所で見られるが人家の周辺にもやってくる。個体数も多く、よく見かけられるカミキリムシ類と間違われやすい昆虫の一つである。食性は花のほか他の昆虫を捕らえて食べる肉食昆虫でもある。日本中に見られる普通種で4~8月に見られる。




* この記事は、別ブログ「

昆虫などの動物たち  山川草木動物歳時記 (日記)

」の ≪旬の風 952≫ ジョウカイボン と同じ内容です。


                            



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≪旬の風 955≫  
                                                    キクイムシの一種

 8月の末に、自宅の外壁で見つけたひどく小さな昆虫だ。見つけた時には細く長いゾウムシ(*A*)の一種だと思い、珍しいと思って近接撮影をしておいた。
 上から見ると頭部がないような面白い格好だが、横から見ると確かに頭もあるし触角もちゃん二つとある。ただ、口器の部分は突起状なものはなく体も小さくてゾウムシの一種とは思えなかった。
 たまたま、家に帰ってきていた三男が調べていたようだが、キクイムシの一種だという。
「キクイムシ・・・? 聞いたことのない名前だが、なんだそりゃ?」
「うん・・木を食う小さな害虫・昆虫みたいだけど、それ以上は判らないよ」

 キクイムシについて調べてみたが、やたらに「ヒラタキクイムシ」の記載が多く、家を構成する木材や木製家具、さらには植林の木を食い荒らす害虫であることが載っていた。何か、先日のシロアリの話(*B*)のようだ。
 キクイムシは、日本に300種類もいると種の多様性を知ってビックリ! あまりお目にかかることがなかったというより、そんなに小さな虫は無視してきたのだろうし、興味もなかったのだ。
 キクイムシは、文字通り「木食い虫」で、甲虫目キクイムシ科の総称で、ゾウムシ科キクイムシ亜科に分類されることもあるという。ゾウムシのように口器(吻:ふん)の部分が長く伸びず、成虫・幼虫とも数~1mm程度の大きさのものらしい。木材への穿孔生活に適応するべく短い円筒形の微小な昆虫なのである。キクイムシの寿命は、1.5ヶ月と短いらしい。

 基本的に成虫・幼虫とも樹木の材を食べ、材の中や樹皮の下に細い巣穴を掘って生活しているという。多くの種類が菌類と共生して材の栄養摂取を行っていて、その甚だしいものはアンブロシアビートル(養菌性昆虫)と呼ばれるそうだ。木材中に自ら掘った坑道の中に植えつけた共生菌類アンブロシア菌)のみを食べて生活すると書いてあった。 一部のものがドングリ(*C*)など樹木の種子に穿孔する。

それらも大発生すると健康的な樹木を激しく食害することが知られており、森林の害虫として重要視されている種も多いという。

 成虫が出てくる時期は5月~8月頃だが、冬の間も室内の暖房により幼虫の生育が早くなるため、発生する場合があるという。

 彼らの多くは森林にいて坑道などの朽ち木には沢山の幼虫が見られるという。また、輸入されてきた木材に付着してきて、木材の内部に卵や幼虫が潜んだまま屋内に持ち運ばれてくるというのが主な建材食害の発生原因となっている。
 『な・なんだって!! それはえらいこっちゃ!』
 夏の熱気で暑苦しくなった坑道から出てきて涼んでいたかも知れないこのキクイムシ。たった一匹なのだが、自宅の木の中には意外にも膨大な数のキクイムシがいるのかもしれない・・・・。
 あの子供の時に見たおぞましいようなシロアリの乱舞(*)が頭に浮かんできて、今後のこの虫の出現を注意深く観察して行こうと思っている。



*【参照HP】 ① ゾウムシ(*A*): a. マダラアシゾウムシ::≪旬の風 677≫ Ryuhei の 昆虫撮集 [Ⅰ]① ★:[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/15799929.html ]、b. ≪旬の風 492≫ ハスジカツオゾウムシ(もしくは、ハスジゾウムシ):[ https://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihou/41766301.html ]、c. 昆虫・甲虫[コガネムシ類]:動物の写真館  [90000回アクセス記念]:[ blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/60474866.html ],昆虫・甲虫(コガネムシ類) 動物の写真館 ≪90000回アクセス記念 ...先日のシロアリの話(*B*):≪旬の風 950≫  ヤマトシロアリ:[ https://livedoor.blogcms.jp/blog/rsytw766-gtutbd8n/article/edit?id=4101966 ]ドングリ(*C*):→ クヌギ[Ⅳ](*3037):[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/8102358.html ]、シロアリの乱舞(*D*):≪旬の風 950≫  ヤマトシロアリ:[ https://livedoor.blogcms.jp/blog/rsytw766-gtutbd8n/article/edit?id=4101966 ]、⑤ シロアリの乱舞(*E*): a. ≪旬の風 950≫  ヤマトシロアリ:[ https://livedoor.blogcms.jp/blog/rsytw766-gtutbd8n/article/edit?id=4101966 ]







   


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                                          * 2019.11.19



≪瞬の風 954≫ 


                                                        タテハモドキ Ⅲ



 先日、友人が「日本一旨いが入りにくい蕎麦屋」(*A*)という店の駐車場で見たのは「タテハモドキ」(*B*)という南方系のチョウである。


 最初に見たのは、忘れもしない南国の宮崎(川南町)だった。もう、30年以上も前のことでこの時にはひどく驚いたものだ。さすがは南国・宮崎、日本国内にはいないようなチョウが沖縄や台湾から台風などの影響でやってきた迷いのチョウ「迷蝶」(*C*)がいると思ったのだった。


 ところが、その頃には熊本にもいるとの話があり、地球(日本)の温暖化の影響だと思っていた。さらに驚いたことには、その数年後に佐世保の相浦川周辺や伊万里から唐津方向に流れる松浦川の「あざめの堰」(*D*)周辺で見かけるようになった。最近では、日田市内でも見たことがある。


 今度は、佐賀市内の鍋島というところにある蕎麦屋さんの駐車場ということなのだ。


 この分では、もうオール九州でのタテハモドキの分布はまず間違いなかろうと思われる。すなわち宮崎から大分・熊本、そして、佐賀までは来ている。福岡県ではどうなのだろう?


 これらの分布から考えると、かつて迷蝶」とされていたこのタテハモドキはこれらの地域で世代交代を行っていて、タテハモドキ分布の北限ともなっている可能性が十分にある。


 昆虫学者に言わせると、『な~んだ! そんなことは常識なんだよ』と言われるのかもしれない。

今、いったい、このタテハモドキ分布の北限というのは、どうなっているのだろう?



 日本自然保護協会資料集第50号(*E*)によると、タテハモドキ1950年代後半から鹿児島県南部に 定着、長崎県でも増加し始め、1960年代には宮崎県、 1990年代には熊本県、佐賀県などにも定着したという。



 平均気温の上昇、大雨・台風などの気象状況の激しい変化・・・明らかに温暖化の兆しが見えてきているようだが、その前から南方系の様々な昆虫が次第に北上しつつあることも間違いないようだ。







*【参照HP】①「日本一旨いが入りにくい蕎麦屋」(*A*):≪瞬の風 953≫  入りにくい蕎麦屋さん:[ http://ryujumihou.blog.jp/archives/2019-11-25.html ]、
「タテハモドキ」(*B*): a.≪30000回アクセス記念 蝶10:タテハモドキ≫:[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/54656192.html ]、b. ≪旬の風 148≫ タテハモドキを6頭も見た★:[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/1070363.html?__ysp=5bGx6YeO6I2J5Zuz6ZGR5q2z5pmC6KiY44K%2F44OG44OP44Oi44OJ44KtIOKFog%3D%3D ]
迷いのチョウ「迷蝶」(*C*):a. コトバンク:迷チョウ:[ https://kotobank.jp/word/%E8%BF%B7%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%A6-1425940 ]、、b. ≪ 30000回 アクセス記念  蝶 15 : メスアカムラサキ [1] ≫ メスアカムラサキ [1]:[ https://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/54714450.html ]、c. ≪ 30000回アクセス記念  蝶 16 :メスアカムラサキ [2] ≫ メスアカムラサキ [2]:[ https://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/54733188.html ]、d. ≪旬の風 103≫ カバマダラの幼虫 発見!:[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/60322842.html ]、e. 蝶 動物の写真館 [10] ≪90000回アクセス記念 ⑤≫:[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/60262005.html ]、f. ≪30000回アクセス記念 蝶10:タテハモドキ≫:[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/54656192.html ]、g. ≪旬の風 148≫ タテハモドキを6頭も見た★:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/1070363.html ]、
松浦川の「あざめの堰」(*D*):≪旬の風 148≫ タテハモドキを6頭も見た★:[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/1070363.html?__ysp=5bGx6YeO6I2J5Zuz6ZGR5q2z5pmC6KiY44K%2F44OG44OP44Oi44OJ44KtIOKFog%3D%3D ]
日本自然保護協会資料集第50号(*E*):自然しらべ2011:チョウの分布 今・昔  報告書:[ https://www.nacsj.or.jp/official/wp-content/uploads/2011/05/ss2011_houkoku.pdf#search='%E3%82%BF%E3%83%86%E3%83%8F%E3%83%A2%E3%83%89%E3%82%AD%E5%88%86%E5%B8%83%E3%81%AE%E5%8C%97%E9%99%90' ]







 


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